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2008年03月15日

プロローグ:風性常住

麻谷山宝徹禅師、あふぎをつかふ。

ちなみに僧きたりてとふ。風性常住、無処不周なり。
なにをもてかさらに和尚あふぎをつかふ。

師いはく、なんぢただ風性常住をしれりとも、いまだところとしていたらずといふことなき道理をしらずと。

僧いはく、いかならんかこれ無処不周底の道理。

ときに師あふぎをつかふのみなり。

僧、礼拝す。

仏法の証験、正伝の活路、それかくのごとし。
常住なればあふぎをつかふべからず、つかはぬをりも風をきくべきといふは、常住をもしらず、風性をもしらぬなり。

風性は常住なるがゆゑに、仏家の風は大地の黄金なるを現成せしめ、長河の酥酪を参熟せり。

 

正法眼蔵随聞記 (ちくま学芸文庫)
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